苦痛の少ない内視鏡検査

無送気軸保持短縮法とは

当院を含め、辻仲病院グループの大腸内視鏡検査では、従来の検査法と比べて、腸に負担がかからず、不快な異物感や苦痛をほとんど感じることがない「無送気軸保持短縮法」を使用しています。

「無送気軸保持短縮法」で大腸内視鏡検査を行うと、普通の「ループ挿入法」に比べて、痛みが圧倒的に少なくなり、「苦痛の少ない大腸内視鏡検査」が実現可能となります。

大腸の形
大腸の形

大腸は、図に示したような形をしています。

ループ挿入法
ループ挿入法

空気を入れながら腸の形に沿って内視鏡を押し込んでいくと、必然的に腸を伸ばすことになり、腸がつっぱって痛みを感じます。ほとんどの病院で行われている方法です。

ストレート法
ストレート法

空気を入れずに腸を少しずつ縮めながら直線的に内視鏡を進めていきます。この方法だと腸がほとんど伸びることがなく、痛みの原因となる腸のつっぱりが最小限ですみます。

 
楽で痛みの少ない「無送気軸保持短縮法」は、同時に安全性の高い方法でもあります。

腸が癒着している場合、「ループ挿入法」で無理に内視鏡を押し込むと、腸が傷ついたりする恐れがあります。「無送気軸保持短縮法」では、挿入時に腸を無理やり伸ばすことがないので、検査で腸が傷つく危険が圧倒的に少なくなります。

「無送気軸保持短縮法」の唯一のデメリットは、習熟に相応の経験を要し、誰もが簡単にできる検査法ではないことです。当院では、担当医一人あたり年間約1,000例以上の大腸内視鏡検査を行っており、エキスパートが育つ環境を整えています。

*「無送気軸保持短縮法」について、詳細を知りたい方は、外来受診時に医師にお尋ねください。

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査
大腸内視鏡

肛門から直径1cm位の管を挿入して、ポリープや大腸がんなどの病変を見つけたり、病変の組織を採取したりするための検査です。検査中は、大腸の粘膜をカメラで観察しながら写真を撮ります。

近年増加している大腸がんですが、早期の大腸がんは症状のない場合が多く、発見が遅れることがあります。

しかし、大腸内視鏡で早期に治療(ポリープのうちに切除)することで大腸がんによる死亡率が大きく下がることが明らかになっています。大腸がん等の病変の早期発見のために定期的な検査をお勧めします。

大腸内視鏡検査 予約の流れと検査スケジュール

ご予約
A:症状のある方(保険診療)

検査の前に外来受診(消化器内科、大腸・肛門外科)が必要となります。問診後、検査の必要があるか医師が判断します。検査日の決定後、検査の手順の説明があります。
*外来受診については、受診案内をご覧ください。

B:健診で受診される方(自費診療、人間ドック・健康診断)

外来受診は不要です。
人間ドック健診センターでご予約ください。

検査前日 食事(朝、昼、夕)は検査用の食事を召し上がっていただきますが、20時以降は食事を控えていただきます。水分は多く摂取してください。その他、制約事項がありますのであらかじめご確認ください。
検査当日 自宅または病院で下剤を飲んでいただき、その後検査となります。自宅での下剤服用に不安のある方には、病院での下剤服用をお勧めします。鎮静剤を使用する場合がありますので、車・バイク等をご自身で運転しての来院はできません。
検査実施 検査着と検査用のパンツに着替えて検査をします。お尻から内視鏡を入れますのでどうしても緊張して体に力が入りますが、なるべく力を抜いてリラックスするようにしてください。
検査終了 検査後しばらく安静にしていただきます。

大腸内視鏡検査の流れ(動画)

大腸内視鏡検査の流れが詳しくわかる動画です。当院で検査を受ける方は、ぜひご覧くださるようお願いします。

大腸内視鏡検査の画像の例

過形成性ポリープ
過形成ポリープ

がん化しないため、見つかっても内視鏡で切除する必要は、ほとんどありません。

腫瘍性ポリープ
良性(腫瘍性)ポリープ

大腸ポリープの大部分を占める良性のポリープですが、がん化の危険性を伴います。

大腸憩室
大腸憩室

大腸の壁の弱いところにできる外側に突出した袋状のポケットのことをいいます。腹痛や下血が見られたら憩室炎や憩室からの出血が考えられます。

早期大腸がん
早期大腸がん

粘膜層あるいは粘膜下層にがんがとどまっている場合をいいます。

胃内視鏡検査

胃内視鏡検査

胃内視鏡検査には、経口内視鏡(口から直径8mmの管を挿入)と経鼻内視鏡(鼻から直径5mmの管を挿入)の2つの方法があります。検診等のスクリーニング検査であれば、のどの反射がなく、より楽に検査をできる経鼻内視鏡がよいでしょう。

ただし、精密検査や治療をする際は、より高画質で拡大機能等が付いた経口内視鏡の方が適しています。経口内視鏡であっても、ご希望に応じて鎮静剤を注射をしますので、ほとんど苦痛なく検査が終了します。

検査中は、食道・胃・十二指腸の粘膜をカメラで観察しながら写真を撮ります。検査は通常10分弱で終わりますが、その後、安静にしていただきます。

胃がもたれる、時々痛む、お腹がはる、吐き気がするなど調子が悪い場合、また、胃がん等の早期発見のためにも定期的な検査をお勧めします。

胃内視鏡検査 予約の流れと検査スケジュール

ご予約 経鼻内視鏡による検査をご希望の方は、ご予約時にお申し出ください(鼻の疾患がある方は、経鼻での検査ができない場合があります)。

A:症状のある方(保険診療)

検査の前に外来受診(消化器内科、大腸・肛門外科)が必要となります。問診後、検査の必要があるか医師が判断します。検査日の決定後、検査の手順の説明があります。
*外来受診については、受診案内をご覧ください。

B:健診目的で受診される方(自費診療、人間ドック・健康診断)

外来受診は不要です。
人間ドック健診センターでご予約ください。

検査前日 21時以降は食べないでください。水、お茶、スポーツドリンクは、飲んでいただいてもかまいません。
検査当日 検査予定時間の1時間前まで水分(水・お茶・スポーツドリンク)は飲用可能です。鎮静剤を使用する場合がありますので、車・バイク等をご自身で運転しての来院はできません。
検査実施 検査時間は通常約10分弱です。
検査終了 検査後しばらく安静にしていただきます。